Review エル・トポ
映画そのものが
またホドロフスキー監督自身が
フリークスなのかもしれない…
寄稿 Q兄さん
EL TOPO (エル・トポ・1969)
上映時間 123分 製作国 メキシコ 監督 アレハンドロ・ホドロフスキー 出演 アレハンドロ・ホドロフスキー
ロバート・ジョン
マーラ・ロレンツォ
ブロンティス・ホドロフスキー
奇才ホドロフスキーが監督・脚本・音楽・衣装から主演までをこなした"禅仏教徒スラップスティク・スパゲッティ・ウエスタン映画"?
この映画は「もしフェリーニが西部劇を、クロサワがキリスト映画を撮ったらこうなったであろう」と言われ、71年からのニューヨークのミニシアターでの上映(真夜中の12時から)には アンディ・ウォーホールやミック・ジャガーら有名人が訪れた。また ジョン・レノンが「エル・トポ」と次回作の独占配給権を45万ドルで買い取った等、逸話には事欠かない映画となる。
作品全体が象徴的な内容と抽象的な映像に溢れ、「私はこの話(映像)を理解できた」「私はホドロフスキーを理解している」という人々の「はだかの王様」的映画。しかし そこがまた楽しいのかも?
それにしてもエロティズムを表現するのに果物を弄くり回す場面が延々と続くのには…仏教やキリスト教、カバラなどいろんな物をごちゃ混ぜにしている印象で、映像も綺麗なのだが残酷、そして難解な内容、あまり大手を振っておすすめできる作品とはいえないし、好き嫌いがはっきりする映画だろう。ちなみに私は大好きだが…
ストーリーは一人のガンマンがある女性に恋をし自分の子供を捨てて旅に出る。女性の希望に答え4人のマスターガンマンと対決、そこで勝利を得るがガンマンは罪悪感に打ちのめされ、惚れた女性にも裏切られショックで深い眠りに…20年後にフリークスの群れの中で目を覚まし、フリークスたちと行動を共にするようになり町におりていく…
簡単に書いたが、これだけでも常軌を逸している。マスターガンマンの一組やフリークスの群れの中など、この映画には本物のフリークスたちが多数、出演しているが、この映画と監督のホドロフスキー自身がある意味フリークスなのかもしれない。
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